悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
「っ、玲士……」
灯里の手が枕元の携帯に伸びる。
無意識のうちに、灯里はボタンを押していた。
――――縋りたかった。
嘘だよと、あの低いテノールの声で言ってほしい……。
やがてプルルルという呼び出し音の後、電話が繋がった。
『もしもし?』
玲士のいつもの冷静な声が響く。
灯里は携帯を耳に押し当て、その声を聴いた。
『もしもし、灯里?』
優しいテノールの声に、灯里は目頭が熱くなってくるのを感じた。
玲士の声を聴くだけで胸が締め付けられるような気がする。
――――いつのまに自分は、こんなに玲士のことを好きになっていたのだろう。