悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~




灯里はぼんやりと携帯を見つめた。

視界が滲み、涙がとめどなく頬を伝って流れる。

玲士の透明感のある美しい瞳、すべらかな肌、力強い腕……。

それをあの人も知っているのかと思うと、胸が引き裂かれそうに痛む。


『誘ってきたのは彼の方だったわ』


理代の言葉は灯里の心を粉々に砕いた。


灯里は枕に顔を埋め、ぐっと唇をかみしめた。

――――今は何も考えたくない。

灯里は自分の心が冷たい闇に覆われていくのを感じていた……。



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