悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~
3.雨の中の激情
<side.玲士>
ツー、ツーとなる携帯を玲士は呆然と見つめた。
今の電話は一体何だったのか?
明らかに様子がおかしかった灯里。
電話越しに嗚咽が聞こえた。
これまで玲士は灯里が泣いているのを見たことがない。
「……何があった?」
玲士は携帯を握りしめた。
灯里との会話の内容をもう一度思い出す。
『……今日、あの人が……』
あの人……。
まさか晃人だろうか?
けれど晃人であれば、灯里は『あの人』とは言わないだろう。
それに晃人は灯里を傷つけるような人間ではない。
二人の過去を思うと嫉妬が胸をよぎるが、晃人が灯里に向ける気持ちは誠実なものだと、玲士もなんとなくわかっている。
となると。