ｇｉｒｌ －恋を望む少女たち－

Ⅴ わからなかったこと

－俺が教室に幸太を見に行った時には、
幸太は幸太じゃなくなっていた。

前の幸太。

周りには女子。

去年みたいな幸太に戻ってる。
未来に一目ぼれして、まったく女子と関わらなかった幸太が、
戻ってしまった。

「こ・・・こうた・・・？」

教室のドアを開けて、突っ立っている俺。
なぁ、お前が変わったのを見て俺、嬉しかったんだぞ？
なんで戻ってんだよ。
「なにやってんだ・・・お前。」
「は？女の子と話してるだ・・・っ・・!!!」
俺は幸太に殴りかかっていた。

「なにすんだ!!!栄太!!!」
周りの女子は心配そうに見ている。
キャーキャー叫び声が聞こえる。
「お前、こっちこい。」
「は？」
そういって幸太の袖を引っ張る。

「離せ!!!おい!!!」

幸太が抵抗するが、容赦なく廊下へ連れ出す俺。
そして壁に幸太を打ち付ける。