girl -恋を望む少女たち-
「俺は未来が好きだ、だけど1つ言うことが・・・幸太のことなんだけど・・・。」
「? 幸太がどうしたの?」
「あいつ、未来に一目ぼれしたんだって・・・だけど未来に俺のことが好きって言われたからあきらめるって言われたんだ・・・だから幸太の近くにあまり行かないでほしい。いい?」
「そうだったんだ・・・ごめん・・・私にも言わないといけないことがあって・・・。」
「え?」
未来を見ると手が震えてる。
よっぽどのことなのか?

「私、幸太が私に好意を抱いていたこと知ってたんだ・・・。」
「は?」
意味がわからない。
「私の友だちの実和って知ってる?」
実和・・・?あ、幸太が保健室に運ばれた時の・・・。
「あぁ、なんとなく覚えてる。友達だったんだ。」
「うん・・・でね、実和から幸太に好きな人がいて、それが私だって聞いて実和と作戦立てたの。ひどいことだってわかってるんだけど・・・・。」
「作戦?」
「実和は幸太が好きだったから、私は栄太を振り向かせられるように・・・って・・・。」
「・・・・・・なにそれ・・・。」
怒りがわいてくる。
俺を好きだからって、幸太の気持ちはどうなるんだよ・・・。
手は震える。
「ごめんなさいっ・・・本当に・・・幸太に謝らなきゃ・・・。栄太もごめん・・・。」
謝罪してくる未来は、涙を流していた。
仕方なく許したけど・・・俺が謝られる意味がわからない。
俺は被害者じゃない。
幸太だ・・・。
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