写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

「愛歌、行くよ」

「えっー、やっぱり嫌だよ」

「今さら何言ってるの? もう、みんな来てるし……」

「詩織だけ行けばいいじゃん」

「人数が決まってるから愛歌も行かないとダメなの。それに男は、2人しか居ないから安心して」

男が2人も居るの?

どこが安心してよ?

私は、男1人でも居たら嫌なのに……

男が2人なんか居るなんて耐えられないよ……

「詩織、ひどいよ。どこが安心してなの? 男が2人居るなんて考えただけでも嫌だ。
お願いだから帰らせてよ」

「大丈夫って。愛歌もそん中で好きな人出来るよ」

好きな人が出来る?

詩織は、私がどれだけ男が嫌いか分かるの?

全然、分かってないよ。

「好きな人なんか絶対出来ないよ。私、用事思い出したから帰る」

「愛歌、用事なんかないのに帰られたら困るよ。お願いだからね?」

詩織にそこまで頼まれたら断れないよ……

男なんか無視しとけばいいか。

だって学校の時もそうだし……

私は、男は康太としか話してないし……

でも、声かけたらどうしよう?

無視しとくのも感じ悪いかな?

でも、話すのも嫌だし……

でも、仕方ないよね?

「詩織がそこまで言うならいいよ……」

「愛歌、ありがとう」

「うん」

「じゃあ、入ろ」

「うん」

212号室……

詩織が予約した部屋に段々近づいてく……

ごくっ

私は、唾を飲んだ。
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