写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
嫌だな……違うクラスならまだよかった。
これからあの2人を見るのは、嫌だった。
「あっ、文香。また、宜しくな」
文香?
康太も名前で呼んでるんだ。
そりゃー。当たり前だよね。
康太が違う女の子を名前で呼んでる所を初めて見た。
ずっと私だけだと思ってた。
それが当たり前のようなのに私は、その子が許せなかった。
あの子になれたらいいのに……
私は、思った。
「愛歌、大丈夫?」
「うん。大丈夫」
私は、言った。
「愛歌、約束通り昼飯おごれよ」
康太が私の方に来て言った。
ん? 何か視線が感じる。
あっ、あの子だ。
私の方を見て睨んでる……
正直言って怖い……
康太、私に話しかけないでよ。
嬉しいけど……
「うん……」
私は、重たい返事をした。
昼休み―
「愛歌、パン買うからおごってな」
そう言ったのは、康太。
「何円?」
「380円」
康太は、そう言って手を出した。
「はい」
私は、康太に380円を渡した。
「ありがとな」
康太は、それだけ言って去って行った。