写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

「しかし、あの女腹たつなぁ」

昼休み、私と詩織と亜由で屋上で食べていたら亜由が突然言った。

「誰が?」

私は、言った。

「小野君の彼女の川島文香。何か愛歌の事、睨んでたしな」

亜由が怒っていた。

川島さんって言うんだ。

「でも、川島さんは悪くないよ」

私は、言った。

「愛歌、何言ってるん。あの女、絶対性格悪いよ。でも、小野君も小野君や。何で愛歌じゃなくてあの女と付き合うかも分からん。絶対騙されてるし」

康太の事を悪く言わないで……

私の事は、いくらでも言っていいから。

「康太の事、悪く言わないで。康太が川島さんを好きなら仕方ないもん」

「愛歌は、優しすぎるよ」

さっきまで黙って食べていた詩織が突然言った。

「えっ、優しくないよ」

「愛歌は、優しい。自信持った方がいいで。私は、愛歌の味方やから」

「詩織、亜由。ありがとう」

「「親友なんだから当たり前」」

詩織と亜由は、同時に言った。

ピッピッピッピッ……

食べ終わったら、ケータイが鳴った。

「ごめん。ちょっといい?」

「いいよ。気にせんとって」

「ありがとう」

私は、ケータイに出た。

「もしもし」

「あっ、愛歌? 高岡だけど、今日帰りに事務所に寄ってくれる? 話したい事、あるから」

「分かりました」

「食べてる時にごめんね」

「いえ。食べ終わってたんで」

「じゃあ、待ってるね」

高岡さんは、そう言って切った。
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