写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

「君は、誰?」

勇輝が言った。

「私は、空雨。あなたは?」

私は、言った。

「俺は、優音。優しいと書いて音と書いてゆうとと読むんだ。いい名前だろ?」

「うん。私は、空と書いて雨でくうって読むんだ。私の名前もいいでしょ?」

「俺の真似か。どっちもいい名前だよな。って俺達、似てね?」

「何が?」

「全部」

勇輝は、そう言って笑った。

勇輝って笑うとこうなんだ。

いつもより、笑った方が全然いいじゃん。

「カット。今のいいよ。次も頑張ってね」

私達は、どんどん撮影が進んだ。

初めは、勇輝と何かうまくいきっこないと思ったけど、今はそう思わない。

勇輝との撮影は、楽しかった。

もちろん、香織と咲とも。

「じゃあ、今日はここまで旅館に戻って下さい。皆さん、お疲れ様」

スタッフの人は、そう言った。

「香織、咲。お疲れ様」

「愛歌もお疲れ様。よかったよ」

「香織の方こそ」

私達は、お互い褒めあった。

旅館に戻った。

そう言えば、勇輝ってどこ行ったんだろう?

部屋に行っても居ない。

私は、勇輝を探して見た。
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