写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
あの女は、しばらく間が開いて口を開いた。
「私だって本当は、行きたくなかったんだから。詩織、悪いけど先に帰るね」
あの女は、そう言った。
「ちょっ……愛歌」
「愛歌ちゃん、待って。全ては、勇輝が悪いから」
あの女の親友と光輝が慌ててフォローした。
はっ? 全ては、俺が悪い?
俺は、ただ事実を言っただけで。
確かにちょっと悪いと思ったけどあの女も悪い。
俺の事を無視するから……
「何だよ。俺は、事実言っただけだろ」
俺は、そう言った。
「ごめん。もう、帰るから」
あの女は、そう言って部屋を出て行った。
「ちょっと勇輝君」
「勇輝」
あの女の親友と光輝が俺に言ってくる。
何だよ。2人して。
あの可愛げない女なんかほっとけばいいじゃねぇか。
「何だよ?」
「何だよじゃないだろ。勇気」
「そうだよ。愛歌は、ただでさえ男が嫌いだから少しでもよくなればいいと思ってここに連れて来たのに……。勇輝君のせいで余計愛歌が男嫌いになったじゃん」
俺は、2人に攻められた。
何だよ。
お前等だって本当は、自分の事しか考えてないのに……
「お前等に言われたくねぇよ。本当は、自分等のためなんだろ? あの女のためとか言うけど」
俺は、堂々と言った。
あの女の親友と光輝は、顔を真っ赤にした。
図星かよ……
「それとこれは、関係ないでしょ。とにかく愛歌を追いかけて謝って来てよ」
「そうだぞ。今なら間に合うし、謝って来いよ」
何で俺があの女のために謝らなきゃいけないんだよ。
めんどくせぇし……
あの女と関わるのもめんどくせぇ。