写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
「なぁ、詩織は何の果物が好きだと思う?」

八百屋さんに着いたら詩織が言った。

「うーん。詩織はね、柚子とか好きだと思うよ」

何となく詩織って柚子っぽい気がする。

「そうやな。じゃあ、柚子買って行こうか。2人でお金出し合うで」

「うん」

私と亜由は、2人でお金を出し合った。

「まいどー。おまけにサービスにりんごも付けちゃうよ」

おじさんが言った。

「おじさん、ありがとう」

「おじさん、気きくなー」

私と亜由が言った。

「そりゃー。おじさん、商売は何十年もしてるから慣れてるわ」

「そうですか」

「おじさんって何歳や?」

亜由がおじさんに聞いた。

「おじさん、もう43歳やで。老けて見える?」

「若々しく見えるよ」

亜由が言った。

「私もおじさん、若々しく見えると思う」

私は、言った。

「いい事、言ってくれるなぁ。また、来てな」

「もちろんや」

おじさんに手を振って詩織の家に行った。

「愛想のいいおじさんやったな」

「うん、そうだね」

ピンポーン……

詩織の家に着いてインタンホーンを鳴らした。
< 169 / 285 >

この作品をシェア

pagetop