写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
「はい」
詩織は、玄関から出て来た。
「詩織、体調どう?」
「体調は、大丈夫なん? うちらが見舞いに来たで」
「愛歌、亜由。ありがとう。家に入って」
詩織が言った。
「おじゃまします」
「おじゃまするで」
私と亜由は、詩織に家に入った。
「愛歌、亜由。飲み物、何がいい?」
詩織が私と亜由に聞いて来た。
「えっ、いいよ。詩織は、座ってて」
「そうや。うちら、今ノド乾いてないけん。それより、詩織にこれお土産や」
亜由は、詩織に八百屋で買って来た果物を渡した。
「ありがとう」
詩織は、そう言って亜由から受け取った。
「私の好きな柚子だ。こんなにいっぱいある。いいの?」
詩織が私と亜由に聞いて来た。
「いいんだよ、詩織、早くよくなるといいね」
「詩織、それ食べたら風邪なんかすぐ治るで。食べてな」
「愛歌、亜由。これ食べるね」
詩織は、嬉しそうな顔してそう言った。
よかった。
詩織が喜んでくれて……
「それとこれ提出物のプリントだよ」
私は、カバンから出して詩織にプリントを渡した。