写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
「へぇー。拓哉君か。何歳?」
「お前と一緒で高校2年って言うか君付けやめてくれない?」
拓哉君が言った。
「えっ、何で?」
「君付けされるの慣れてねぇから。俺も愛歌って呼ぶし」
「うん、分かった。じゃあ、拓哉。どこの店で働いてるの?」
私は、拓哉に聞いた。
「俺は、あのラーメン屋で働いてるんだ。そんで家もここから近いし、あのマンションだぜ」
拓哉は、そう言って指を指した。
「へぇー。そうなんだ」
私は、言った。
「そう言えば、お前どこから来たんだ?」
「東京」
「お前、東京から来たのか? もしかして歩いて?」
拓哉が私に聞いて来た。
「うん。私、家出したの」
「家出? 何かあったのか?」
「大したことないんだけどね」
「そっか。俺でよければ聞くけど」
拓哉が言った。
どうしよう……言おうかな?
「あのね……実は、私本当のお母さんに小さい頃捨てられたんだ。それでお父さんも今、居ないしその再婚したお母さんが小さい頃からずっと育ててくれたんだ……私、最近思い出して小さい頃事故にあって記録喪失になってたの……それでアルバムを見てたら思い出したんだ……そしたらどこにも私が写ってなくて……それで私、迷惑だと思って家でして来たの。こんな話してごめんね……」
私は、正直に辛いけど拓哉に聞いてもらった。
「愛歌、辛かったな……でも、お前のお母さん迷惑だと思ってないんじゃねぇの? 迷惑だったら普通、捨てるだろ」
拓哉が言った。