写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

「いいから歌いなよ」

「そうだよ」

詩織と光輝君に攻められた。

「どうする?」

あの男が聞いて来た。

「どうしよう?」

「お前、何か知ってる曲ある?」

「ミスチルの旅立ちの唄。あんたは?」

「俺も知ってる。じゃあ、それ歌おうぜ」

えっ、歌うの?

まあ、いっか。

「うん」

私は、リモコンを取ってミスチルの「旅立ちの唄」を入れた。

曲がかかった。

「よっ。待ってました」

詩織と光輝君は、盛り上げてくれてる。

正直言ってあの男と一緒に歌うのは、恥ずかしいけど仕方なく歌った。

歌が終った。

「お前、音程ずれてたぞ」

「お前じゃない」

「お前も俺のあんたって言ってるだろ。じゃあ、お互い名前で呼ぼうぜ」

「うん」

「じゃあ、愛歌って呼ぶから俺の事は、勇輝でいいから」

「分かったよ」

何か不思議だな。

昨日までは、あんなに勇輝の事怖がってたのに今は、平気。

何でだろう?

私は、男嫌いがちょっと直っていた。

「じゃあ、愛歌と勇輝君。ケータイの番号交換すれば」

何で勇輝と交換しなくちゃいけないの?

「何で?」

「だってもう仲良くなったんだしね。光輝」

詩織は、ニヤニヤして光輝君に言った。

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