写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

「愛歌ちゃん、サイズはどう?」

加賀美さんが言った。

「あっはい。ちょうどよかったです」

私は、言った。

本当は、ちょっと大きいけどね。

「じゃあ、ここでのバイト説明するわね。愛歌ちゃんは、レジと注文されたのを運ぶのとどっちがいい?」

加賀美さんに聞かれた。

運ぶ時、バレたら困るからレジの方がいいかな。

「じゃあ、レジで」

「分かったわ。レジの説明するわね。普通にボタンを押せばいいのよ。半額の時もあるから気をつけてね。それでお客さんに渡す時は、ちゃんとお客さんの目を見て笑顔で“ありがとうございました”って言ってお金を渡してね。私がお手本見せるから愛歌ちゃんは、お客さん役して」

加賀美さんに言われて私は、お客さん役をした。

「会計の方は、○○円です。ありがとうございました」

加賀美さんは、丁寧に笑顔でお金を私に渡すふりをした。

私は、それを受け取るふりをした。

「って感じでお願いね。出来るかな?」

加賀美さんが優しい口調で言ってくれた。

「はい。頑張ります」

私は、言った。

「後、お客さんが入って来たときもね、“いらっしゃいませ”って笑顔で言ってね」

「はい」

「じゃあ、宜しくね」

加賀美さんは、そう言って去って行った。

あっ、お客さんだ。

よしっ、頑張るぞ。

「いらっしゃいませ」

私は、笑顔で言った。

「愛歌?」

見覚えある顔に声。

ゆっ勇輝?

何でここに?
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