写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

「ちょっと勇輝、何でこんな事するの?」

私は、言った。

「だから騒ぎになってるんだって。高岡さんも心配してるし、皆心配してるんだよ」

勇輝が言った。

「私、帰らないから」

私は、怒り口調で言った。

「何で突然家出したんだよ?」

勇輝が私に聞いて来た。

「勇輝には、関係ないよ……」

私は、顔を背けて言った。

「関係ある。俺だって心配してたんだからな」

勇輝は、そう言って抱きしめて来た。

「ちょっと勇輝……」

私は、周りに見られていて恥ずかしくて勇輝を離した。

「ここじゃなくて場所変えよう」

私は、言った。

勇輝と近くの公園に行ってベンチに腰がけた。

「で、何だよ?」

勇輝が私に聞いて来た。

「今から話す事、聞いてくれる?」

私は、勇輝に言った。

「うん……」

勇輝は、静かに頷いた。

私は、勇輝に全て家出した理由を話した。

勇輝は、「そっか……それでか。辛かったな……でも、お前のお母さんは迷惑と思ってないんじゃねぇの?」と言った。

拓哉と同じ事を言ってる。

「でも……私は……」

「お前の気持ちは、よく分かる。でも、お前は自分の口からお前のお母さんに聞いてないだろ? 自分で確かめて見れば?」

勇輝が言った。
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