写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

次の日―

「おい、愛歌起きろ」

「ん……」

私は、また寝ぼけていた。

「あっ、康太……」

私は、目を擦りながら言った。

私、いつの間にか寝たんだ。

「愛歌、早くしないとまた遅刻するぞ」

康太が言った。

「あっ、うん……」

「下行っとくな」

康太は、そう言って部屋から出て行った。

私は、制服に着替えて下に降りた。

「愛歌、おはよう。早くご飯食べなさい」

「うん」

私は、椅子に腰がけて朝食を食べた。

「そう言えば、康太君知ってる?」

お母さんが言った。

「何が?」

康太が言った。

「愛歌がね、来週の日曜日にモデル対決するんだって。愛歌の方が投票が多かったら外に大きい看板貼られるんだって」

私は、そっと康太とお母さんの会話を耳に済まして聞いてた。

お母さんたらおしゃべりなんだから。

私が言おうと思ったのに……

「へぇー、愛歌がねー」

康太が言った。

「そうなんだよ。康太君は、もちろん愛歌に投票するでしょ。私ももちろん愛歌に投票するわ」

お母さんが言った。

「ごちそうさま」

私は、そう言って食器を交わしてローファーを履いた。

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