写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
シーン―
私と詩織は、しばらく沈黙が続いた。
「詩織、ごめん……」
私は、詩織に言った。
「何で愛歌が謝るの?」
「私が何も言わなかったから」
「でも、あんな有名な事務所の人にスカウトされるなんかすごいじゃん。私何かスカウトされないのに……。愛歌、モデルやって見ないの?」
「やらないよ。写真嫌いだし、まだ男も嫌いだし……」
「そっか。でも、男はちょっと直ったでしょ。問題は、写真かあ。何でそんな写真が嫌いなの?」
「写真と男には、嫌な過去があるの。それは、言えないけど……」
「そっか。でも、勿体ないからやった方がいいと思うよ。明日、撮影現場見に行くんだし、もしかしたらやりたいと思うかもしれないよ。私まで撮影現場見れるからうれしいんだ。じゃあ、私こっちだから。じゃあ、明日愛歌の家に行くね」
「うん。バイバイ」
「バイバイ」
詩織は、そう言って帰って行った。
詩織は、怒らなかった。
でっきり詩織は、怒ると思った。
詩織ってやっぱりしっかりしてるなあ。
私は、家へ帰って行った。
次の日―
今日は、お姉さんに言われたあの事務所に詩織と一緒に行く日。
有名だし、こんな格好で行けないよね。
ワンピース来て行こうかな。
去年、買ったワンピースを着る事にした。
さっそく着て見た。
これでいいかな?
変じゃないかな?
私は、気になっていった。
お母さんに見てもらお。
「お母さん、この服変じゃない?」
「変じゃないわよ。そんな格好してるけど、どっか行くの?」
「うん」
「あんまり遅くならないようにするんだよ」
「うん。じゃあ、行ってきます」
私は、家を出た。