写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

「えっ……?」

郁ちゃんが言った。

「本当の事、言って」

私は、言った。

「私、愛歌ちゃんと康太君が付き合ってるのは、知ってるんだけど康太君の事が好き……こんな事、言ってごめんね……でも、私は見ているだけでいいから」

郁ちゃんが言った。

やっぱり康太の事が好きなんだ……

私、康太と付き合ってもいいのかな?

私より、郁ちゃんの方が小柄で色白で可愛いし……

郁ちゃんが康太に告白したら康太は、郁ちゃんの事を好きになるのかな?

そんなの嫌……

「あっ、そっか。やっぱり郁ちゃんも康太の事が好きなんだ。でも、見てるだけでいいの?」

私は、郁ちゃんに聞いた。

「うん。私は、愛歌ちゃんが幸せでいいの。だから私、康太君の事を諦める。でも、康太君の事見ててもいい?」

「うん、いいよ。私こそごめんね……」

私は、言った。

「じゃあ、私こっちだから。愛歌ちゃん、またね」

「うん、またね」

私は、家に帰った。

でも、すっきりした。

ちゃんと郁ちゃんと話が出来て……

郁ちゃん、ごめんね……

でも、私康太の事が好きなんだ……

私は、家に着いたら部屋に寝転んだ。

ピッピッピッピッ……

ケータイが鳴った。

「はい」

私は、ケータイに出た。

「高岡だけど、愛歌ちゃん。今すぐ来てくれる。大変な事になってるのよ」

高岡さんが焦った声で言った。

大変な事って何があったの?

「はい、今から行きます」

私は、電話を切って急いで家を飛び出して事務所に向かった。
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