写真嫌いと男嫌いの私がモデル?

「あっ、愛歌」

高岡さんが私の姿に気がついて私の所に来た。

「あの高岡さん、大変な事って何があったんですか?」

私は、息を整えて言った。

「あのね、実は勇輝がこの紙切れ残して居なくなったの。それでモデルをやめると書いてあったの。ホラッ、これ」

高岡さんが紙切れを私に渡して来た。

私は、その紙切れを見た。

そこに書いてあったのは……

______________
     皆さんへ
今日、俺はモデルをやめます。
急にそんな事言ってすいません……
でも、一度決めた事なんで言わないで
もう俺を探さないで下さい。
こんな勝手ですいません・・・
今までありがとうございました。
          勇輝
______________ 

と書いてあった。

何で勇輝?

どうして突然……

「愛歌、勇輝君が居る所分からない? 勇輝の家にかけても勇輝は、家を出て行ったらしくて……」

高岡さんが深刻な顔して言った。

「分かりません……でも、探してみます」

私は、言った。

「宜しくね。私達も探すから。もし、勇輝君を見かけたらケータイにかけて」

「はい」

私は、そう言って紙切れを手で握り締めて事務所を出た。

勇輝が行く所は、どこ?

あっ、そう言えば……

もしかしてあそこかな?

私は、電車に1駅乗って以前私がバイトしようと思ったフルーツカフェへ行った。

ガラッ

「いらっしゃいませって愛歌ちゃん、どうしたの?」

加賀美さんが言った。

「あの勇輝、来てませんか?」

私は、ゆっくり言った。

「勇輝君って前来てた男の子だよね? あそこに居るよ」

加賀美さんが指を指して言った。

私は、加賀美さんが指した方向を見た。

< 271 / 285 >

この作品をシェア

pagetop