写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
あっ、居た。
私は、勇輝が座ってる所に座った。
「勇輝、何でモデルやめたの?」
私は、言った。
「お前、何で分かったんだよ」
勇輝が言った。
「前、私が家出した時に勇輝がここに来てたから」
「俺は、もうモデルやめたんだ。やめようがやめないとか俺の勝手だろ」
勇輝が言った。
「勝手かもしれないけど、皆心配してるよ」
私は、言った。
「別にお前には、関係ないし」
私は、勇輝の言葉に腹が立った。
人が心配してるのに……
「関係あるよ。だって勇輝は、私が家出した時私を励ましてくれたでしょ? だから私も勇輝に何かしてあげたいし……」
私は、泣きながら言った。
「分かったって。場所変えて話そうぜ」
勇輝が言った。
私と勇輝は、フルーツカフェから出て近くの公園に行った。
「お前、何がいい?」
勇輝が私に聞いて来た。
「オレンジがいい」
私は、言った。
勇輝は、私にオレンジジュースを渡した。
「ありがと」
私は、それを受け取った。
勇輝は、私の隣にベンチに腰を下ろした。
「あのな俺、何から話したらいいか分かんねぇけど……俺……」
勇輝は、全て私に話してくれた。
勇輝にそんな事があったと思わなかった。
勇輝のお母さんが勇輝をかばって死んだこと。
それを知った勇輝のお父さんは、勇輝に『二度と帰ってくるな。この悪魔の子が』と言って勇輝は、罪悪感を感じて家を飛び出してモデルをやめた。
勇輝、辛かったね……
なのに気づいてあげられなくてごめんね……
私は、そっと涙を流して勇気を抱きしめた。