写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
―放課後
「詩織、帰ろ」
「ごめん。私、ちょっと用事あるんだ。だから先に帰ってくれる?」
「そっか。じゃあ、バイバイ」
「うん、バイバイ」
本当は、詩織と一緒に帰りたかった。
でも、用事があるから仕方ないよね。
「康太、帰ろ」
「おう」
私は、康太と帰る事になった。
帰り道の途中、詩織の事を康太に言った。
「詩織、モデルのオーディション受けるんだって。すごいよね」
私とは、違って詩織はちゃんと夢がある。
私は、まだ決まってない。
「確かにすごいなあ。お前と違って」
「失礼なあ。確かに詩織は、すごいけどね」
「お前、いつも篠塚の話になるとニコニコしてるなあ」
「だって詩織は、私の自慢の親友だもん」
「そうですか。お前、いつもは篠塚と帰るのに今日はどうしたんだ?」
「詩織が用事あるから」
「つまり俺は、そのかわりですか」
「そんな事ないよ。康太とも帰りたかったし」
「お前、よくストレートに言えるなあ」
「別に康太がシャイなだけだよ。康太は、夢あるの?」
「お前と違ってな。俺は、サッカー選手になりたいんだ」
康太も自分の夢あるんだ。
って言う事は、私だけ夢がないの。
「康太も夢あるんだ。すごいね」
「別にすごくねぇよ」
康太は、顔が真っ赤になってた。
「あっ、照れてる」
「うるせぇ」
「そのちょっといいですか」
私と康太は、後ろを振り返った。