写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
「愛歌ちゃん、頑張ったね。お詫びにその服あげるわ」
えっ、この服を?
こんな綺麗な服、私には勿体ないのに……
「私なんか勿体ないです……」
「愛歌ちゃんによく似合ってたわよ。好きな人に見せたら絶対可愛いと言われるわよ」
えっ、好きな人?
康太が見たらどう言うかな?
確かに康太に見せたい……
「本当にいいんですか?」
「いいのよ。愛歌ちゃんが頑張ったごほうび。それ着て康太君に見せてあげたら?」
私は、その言葉で顔が赤くなった。
「何でそこで康太が出るんですか?」
「何でって愛歌ちゃん、康太君の事好きなんでしょ?」
「違います……」
私は、否定した。
だってまだ康太を好きかどうか分からないから。
「そっか。まあ、いずれ気づくよ」
高岡さんは、何かに納得したようだった。
「それって?」
「それは、愛歌ちゃんが気づかないとダメだから言わない」
「そうですか。他に仕事ありますか?」
「今日は、ないけどまた仕事取ってくるわね」
「はい。じゃあ、お先に失礼します」
「気をつけて帰ってね」
「はい」
私は、事務所から出た。
先の高岡さんの事を思い出して顔が赤くなった。
「康太くんの事、好きなんでしょ?」
私が康太を?
違うよね?
でも、何で康太の事ばっかり考えるんだろう?