写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
「走るぞ」
「えっ、今から走っても間に合わないよ……」
「大丈夫。作戦があるから」
康太は、ニヤっとそう言った。
「作戦って?」
「それは、内緒」
だんだん校門が見えてきた。
でも、校門は閉まっていた。
しかも苦手な先生が居るし……
もう、予鈴鳴り終えてるし間に合わないよ……
「ねぇ、もう校門閉まってるよ」
「あそこを飛び終えるぞ」
康太は、小声で言った。
「えっ、無理。私、運動オンチだもん」
私は、首を振った。
「大丈夫。俺を信じろ」
「うん」
「おい。お前等、もう遅刻だぞ」
「先生、そこどかないと危ないですよ」
「何だ? 小野」
康太は、そう言って勢いよく校門を飛び終えた。
「愛歌、今だ」
私は、康太を信じて校門を飛び終えようとした。
あっ、扱ける……
「大丈夫。俺が受け止めてやるから」
康太は、手を出した。
ガバッ
ギリギリセーフ。
康太は、しっかり抱き止めてくれた。
意外に康太の腕ってガッチリしてるなぁ。
私は、そんな事を考えてた。
何考えてるの? 私。
ドキッ
私の心臓は、大きかった。