だってキミが好きだった






***







「さてと。やっと入場できたねー、ねぇ悠?」


「ん?あぁ、そうだな」


「ねー」







長い行列を並んで、やっと入場出来た遊園地。




遊園地って言ったら子供のイメージがあったけど周りにはカップルも多い。






瑞希と悠さんがイチャイチャしても全然浮かないよ。







「ねぇ悠ー、何処から乗る?」


「瑞希は何処乗りたい?」


「んー?えっとね……、」







手は恋人繋ぎで、二人の間には隙間があまり無い。




そして二人共愛しそうにお互いを見てる。





……愛し合ってるんだなぁ。







「……なぁ」


「……え?」


「何」


「い、いや」







ボーッとしてたのもあるけど、彼から声をかけてくることなんてあまりないから。





つい驚いてしまった。








「……何処回んの、アンタは」


「……私?」


「そ」


「うーん、そうだな……とりあえず瑞希達に近いとこからかなー」








愛し合ってるんだなとは思ったけど、まだ少し心配だし。







「……そ。じゃあ行くけど」


「あ、うん。それじゃあ。瑞希達には伝えておくね」








一人で行くのかな?



彼、こういうの好きだったんだ。







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