だってキミが好きだった
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「さてと。やっと入場できたねー、ねぇ悠?」
「ん?あぁ、そうだな」
「ねー」
長い行列を並んで、やっと入場出来た遊園地。
遊園地って言ったら子供のイメージがあったけど周りにはカップルも多い。
瑞希と悠さんがイチャイチャしても全然浮かないよ。
「ねぇ悠ー、何処から乗る?」
「瑞希は何処乗りたい?」
「んー?えっとね……、」
手は恋人繋ぎで、二人の間には隙間があまり無い。
そして二人共愛しそうにお互いを見てる。
……愛し合ってるんだなぁ。
「……なぁ」
「……え?」
「何」
「い、いや」
ボーッとしてたのもあるけど、彼から声をかけてくることなんてあまりないから。
つい驚いてしまった。
「……何処回んの、アンタは」
「……私?」
「そ」
「うーん、そうだな……とりあえず瑞希達に近いとこからかなー」
愛し合ってるんだなとは思ったけど、まだ少し心配だし。
「……そ。じゃあ行くけど」
「あ、うん。それじゃあ。瑞希達には伝えておくね」
一人で行くのかな?
彼、こういうの好きだったんだ。