だってキミが好きだった
「ん、美味しい」
大きな木が太陽の光を当たらないようにしてくれているベストポジションのベンチ。
「……アンタ、そんな甘いのよく食べれるな」
そのベンチに二人で座って、苺のクレープを食べる私。
そしてそれを怪訝そうに見る彼。
あの後。
アトラクションに乗ったら瑞希達見れない、ということに気付いた私は彼にそう言って、
とりあえず人が見やすいこのベンチに座ることになった。
クレープは、たまたま見つけて食べたくなったから買ったんだけど。
「苺美味しいよ」
「……絶対甘い」
「まぁ確かに甘いけど」
好みは変わってないのか。
昔も彼は甘いものが苦手だった。
私は大好きだけど。
「……瑞希何処かな」
こんな大勢いたら見つからない。
「……アンタ」
「ん?」
「何でそんなに白井を見ときたいわけ?ストーカー」
「……違うよ。ただ心配なだけ」
「……何が」
「……悠さん、もしかして遊びで瑞希と付き合ってるんじゃないかって」
そう、心配なんだ。
「……そういえば悠さん千早くんと知り合いなの?そんな感じしたけど」
「いや、知らない」
「へぇ」
そうかなとは思ったけど。
本当に知り合いじゃなかったんだ。
パクリ、クレープを食べて彼を見る。
「……私はね、瑞希に幸せになってほしいからさ」
「……話して、って言ってないけど」
「顔が“で?さっきの続きは?”って感じだったよ」
「……」