だってキミが好きだった
「じゃあ次は俺がオマエに言いたいことだけど」
ドクン。
この胸騒ぎは何。
「千歳……景山 千歳(カゲヤマ チトセ)を知ってるな?」
ドクン。
息が止まりそうなくらい、
胸の鼓動が増した。
「どう、して……千歳さんのことを……」
混乱する頭の中で冷静に考える。
確か瑞希は悠さんはK市に住んでるって言ってた。
K市は―――千歳さんが住んでいる場所、だ。
それじゃあ、まさか。
「千歳は俺のダチなんだよ」
そういう、こと。
暑い日差しが照りつける。
頬を伝うのは、汗なのか。
それとも……冷や汗か。
こんなに大勢人がいるのに、
「……千歳から伝言」
うるさい筈なのに、
「“明日、OASISで待ってる”だとよ」
――悠さんの声は、ハッキリと聞こえた。