だってキミが好きだった
((Mizuki viewpoint))
「なぁ白井、青柳呼んでくんない?」
生徒達が楽しく過ごしている昼休み。
“菫と”話していた私は他クラスの一人の男に呼ばれて教室の扉まで行き、この状況になっている。
「えー?何?もしかして告白!?」
「……」
「まじかぁ。やっぱモテるね、菫は」
まぁ性格は少し冷めてるけど可愛い顔してるからねぇ。
他クラスの男だしこの人のことは知らないけど……なかなかイケメン。
悠には負けるけど。
むふふ、と惚気そうになるのを押さえて窓側の席を借りて千早くんと一緒に空を見ている菫を見る。
すると二人だけの空間になっているあそこに他の人…主に千早くんのファンは入ることが出来ないのか、チラチラと視線だけを送る姿が視界に入った。
無理無理。アレに入るのは中々苦労するんだからね。
「……ちょっと待ってて」
男にそう言い、あの二人だけの空間へと向かっていく。
最近は一緒にいるところをよく見る菫と千早くん。
カレカノだとクラスに言ってからはその噂がこの学年に広まり、今や公認のカップル。
お似合いだしねー。何処か似てるんだよね、あの二人。
まぁ今の男みたいにそれでも好きで告白する人もいるけど。
「菫、あそこの男が菫に用事あるんだとさー。さぁ何だろうね?」
――でも、ちょっとだけ寂しい。