だってキミが好きだった
キミと図書室
「えー、じゃあ千早くん、お母さんの言いつけでここにきたんだー」
「まぁ。母親怒ると怖ぇから」
「そうなんだー」
「えーじゃあじゃあ……千早くん、兄妹とかいるー?」
「兄貴が一人」
「へぇー!千早くんみたいにカッコいいの?」
「さぁ」
「きゃー、千早くんクール!」
私とは真逆の窓際の一番後ろの席。
今その席は、……女子でいっぱいだ。
このクラスの女子もいれば、違うクラスの女子もいる。
そしてその中心にいるのは―――、
「千早くん、」
「千早くーん!」
「千早くんカッコいいー!」
「ねぇ千早くんー今日遊んでよー!」
―――転校生、景山 千早。