だってキミが好きだった
その内坪にハマったのか瑞希はお腹を抱えて大笑いし、綺麗な黒髪がサラリと揺れた。
コスメ縮毛されてある長い黒髪は、やっぱり憧れ。綺麗。
私もストレートだけど、あそこまで綺麗な髪じゃないから。
その内縮毛してみようかな。でも絶対に瑞希に止められそう。
「はーあ、ほんと菫面白いよねー。何でそんなに面白いの?」
「知らないよ、というか面白いこと言ったつもりないし」
第一、こんなにくたばってるのに面白いことなんか言えないでしょ。
「そうかそうか。まぁいいけどさー……ってか聞いた!?」
切替はやいな、相変わらず。
何故かきゃっきゃとはしゃぎだした瑞希の元気さに呆れて私は溜息を吐く。
「何を」
「うそ、知らないの!?転校生だよ!!来るの、このクラスに!!」
「あぁそうなんだ」
「……菫テンション低いー。そんなに呆れた顔で見ないでよ、可愛い顔が台無しだよ?」
「はいはい」
「ほらいつもみたいにテンションあげてー!」
「この暑い中、出来るわけないでしょーよ」
「つれないなぁ」
無茶言わないでよ。無理なもんは無理でしょ。
第一瑞希が可笑しいんだよ。本当に。
一回病院行った方が良いよ、絶対。