だってキミが好きだった
だから、興味ないの。
最後にそう言い、私は再び顔を伏せて目を瞑る。
目の裏に浮かんでくるのはやっぱりいつもあの光景。
思い出したくもない、あの思い出。
それなのに浮かんできてしまうのは―――忘れてはいけないという、ことなんだろう。
「えー、恋愛しないなんて寂しいよー……。別れた彼のことなんか忘れてさ!ぱーっと新しい彼でも作ろうよ!」
……なにそれ。元気だね。
第一、忘れることなんて出来ない。忘れられない。
忘れることが出来たら、どんなに嬉しいことやら。
新しい彼氏なんて、作る気もしない。
「瑞希だけでやりなよ。私を巻き込むなー」
「えー……」
そんな残念そうな声だしても無理。
っていうか、本当に暑い。そろそろ先生来てよ。本当に私死ぬ。
周りからはすでに集まっているクラスの人達の声。
外からは暑い日差しとここまでは届かない涼しい風。
そろそろ、来てもいい時間だ。