だってキミが好きだった
はぁ、はぁ、と走り続ければ次第に見えてきたフェンス。
公園のフェンス…っ!
もう少し、だ。
早く、早く。
早く早く早く早く。
行かないとっ、
行かないといけない気がする……!!
「う゛ぁっ!!」
また聞こえた男の声。
その声はさっきよりも大分苦しそうだ。
ボコッ、バキッ。
いやな音が静かな夜に響く。
「はぁ、はぁっ、」
元々運動は好きなわけじゃない。
だけど、さっきよりも足を速く動かし公園の入口へと向かう。
「っ、千早……!!」
公園へ入ってればそう叫ぶ。
そして、――目に映るその光景に、唖然した。
「ち、はや……?」
その光景は、何?
一人の男は暗闇の中、顔を俯かせ。
そしてその男の周りには、
苦しげに倒れている、数人の不良。
金やら赤やらのカラフルな髪は乱れ。
顔にはおそらく痣が出来てる。
暗闇だからよく分かんないけどたぶんそうだ。