だってキミが好きだった
「……月は一人」
ひとり。
「仲間もいないのにたった一人で輝き続ける」
そ、れは…
「私も、思った」
私と同じ考え。
「どうしてなんだろう、寂しくないのかなって」
月を見ながらそう言えば、再び沈黙。
……何言ってんだろう私。
彼に“何言ってんだコイツ”とか思われてないかな。
そう思ってチラリと彼を見てみれば彼は私を見ていて。
あまりにも真剣なその瞳に驚いてしまった。
「……これは、俺が思うだけだけど」
彼の口がゆっくりと動く。
「それが与えられた役目だから。輝くことで存在する意味があるから輝く。……そう思う」
その口から吐き出された言葉は悲しんでいるような音色だ。
でもその表情は真剣。