だってキミが好きだった







これは良い意味?



……良い意味だ、きっと。うん。




まぁでも。






「あ、あれって転校生の景山くんでしょ?」


「あー、そうそう」


「噂通り綺麗な顔してるね〜」


「うん、それに最初よりも雰囲気柔らかくなった?」


「あー確かに!実はさぁ、皆景山くんに会いに行ってたけど私ちょっと怖くて行けなかったんだよね」


「分かる分かる、私もー」


「だよねー。だけど今の景山くんなら声かけれるかも!」


「行っちゃう?」


「行っちゃう?」


「「行っちゃおう!」」






……最初よりも雰囲気が柔らかくなったからか、ファンが増えてる。



廊下側の一番後ろってなんか嫌だなぁ。



廊下にいる人達の声は丸聞こえだ。




あーうるさい。



昔の彼はうるさいの嫌いだったけど今の彼はどうなんだろう。




もしうるさいのが嫌いなら、よく耐えてると思う。





「あの、景山くん!」


「うわ、ちょっとアンタ達何」


「ちょっと邪魔ー」






……うわ、さっきの子達可哀想に。



元々彼の周りにいた女子達にグチグチ言われてる。



お、でも彼は女子達の会話なんて興味無さそうだね。


窓の外眺めちゃってる。






< 90 / 147 >

この作品をシェア

pagetop