だってキミが好きだった
「……それって大丈夫なの?」
「何がー?」
「……」
「……もしかして、遊ばれてるとかそんな感じ?うーん、分かんないけど……」
少し切なそうな顔をする瑞希。
その表情を見るとその彼氏のことを本気で好きなんだなぁ、って思う。
「でも私は悠を信じてるから!信じることにしたから!だから大丈夫」
……そんなに好きなのか。
頬をほんのり染めて明るく笑う瑞希はどこか輝いて見える。
その彼氏がどんな人なのか。
それはまだあんまり知らないけど……。
瑞希を捨てたりするなら許さないかな。
瑞希がその彼氏を信じるなら私は何も言わないけど、だけどやっぱり心配だ。
「あ、そうだ。菫には言うけど……悠とは遠恋なんだなー」
「遠恋?」
「うん。悠K市に住んでるから」
K……市……?
ドクン。
K市。それを聞いただけで私の胸はざわつきだす。
確かに遠い。K市は。
でもそうじゃなくて、K市って言ったら……。
――ダメだ、やめよう。
「……遠いね」
「だよねー。あーもう、毎日会いたーい!」
「……会ったりしないの?」
「ん?会うよー!今度の休日デートするし!」
「デート?」
「うん」