だってキミが好きだった
「それじゃあ、行ってらっしゃーい!!」
「あ、ちょっ、まっ!!わっ、ととっ」
バタン。
扉が閉じられる音が背後から聞こえた。
まるでゴミの様にポイッと外に出され、
バランスが崩れて転けそうになったからバランスを整えたせいか、変な言葉しか言えてなかった。
言葉を発する時間を与えないなんて……。
もう流石としか言いようがないよ。
「……それにしてもなぁ」
どうせ家に戻ってもお母さんにまた追い出されるんだろうし……。
「……行くしかないか」
今更行かないって言うのも瑞希達に悪いし。
仮病とかそういう嘘もつきたくないし。
彼と、っていうのがアレだけど……。
仕方がないか。
「……行きますか」
はぁ。
ため息を一つ吐き、私は重い足取りで待ち合わせ場所へ向かう。