先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
『俺がここに来たことは
誰にも言うなよ、面倒だから。
タカオにもな。秘密だぞ。』
・・・ちょっと考えればわかることだ。
なんで「秘密」にしとかなきゃ「面倒」なんだ。
なんでリョースケ先生は、
わざわざそんなことを言ったんだ。
なんでもなにもない、
こうなることがわかってたからだ。
ただでさえ、
先生と私の一番近くにいながら
つねに疎外感を感じてた
タカオちゃんに、
『ひみつ~』なんて
思わせぶりな事を言ったら、
タカオちゃんがどう思うか。
考えるまでもない。
私はきっと先生の策略に、
まんまとひっかかったんだ。
・・・どんな意味があるのかはよくわかんないけど。
だってあの言い方は絶対に。
「絶対に絶対に、開けないでくださいね」
と言って玉手箱を手渡す、
乙姫のアレだ。