先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
こんな事くらいで、
ガタガタ震えるくらい、電話が怖い。
こんな事くらいで
これぽっちで、
なんて事ないって言った所で、
なんの足しにもならないくらい、
心の底から、怖い。
こんなんじゃ、電話をかけられない。
タカオちゃんに、謝ることもできないよ。
聞こえてくるのは、
耳障りな呼び出し音。
誰のでもない笑い声と
予定調和の馬鹿騒ぎ。
タカオちゃんの声が聞きたくてたまらなかった。
タカオちゃんが言うなら
私は自信を持って、
「私は悪くない!」って言えそうだった。
タカオちゃんが言うなら
私は余裕を持って、
「まあ、私も悪かったのかな」って
誰のことでも許せそうだった。
正しいものは正しい。
間違ってるものは間違ってる。
私の正義。
タカオちゃんに、会いたいよ。
トゥルルルルルル♪
トゥルルルルルル♪
トゥルルルルルル♪
・・・
その晩、お母さんが
仕事から帰ってくる時間まで、
私は一人で泣き続けた。
電話は実に、4時間以上、
クッションの下で鳴り続けていた。
ヒマな奴らめ。