先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】







「・・・・・はあっ、はあっ」



叫んだら、熱い涙がぼたぼたと床に落ちた。

その音だけが、やけにはっきり聞こえてきた。


むんっと密度の濃い、沈黙。


うわめづかいにお母さんをじっとにらむ。


お母さんは
眉間にしわを寄せたまま、

何度か私を振り返りながら部屋を出て行った。


なんにも言って、くれなかった。



取り残されて、

私はひとり、部屋の真ん中で立ち尽くした。




チリチリと、目覚まし時計の秒針が動く音がする。



この部屋で唯一、
私の意思とは無関係に動くもの。


私が持ってる世界には、人がいない。


それが私の、すべて思い通りになる世界。








孤独だった。





味方のいない「独り」は、
寂しいなんてシロモノじゃなくて、

苦痛としか言いようのない孤独だった。






テレビの前に
はって行って、
コンセントを入れて
デタラメにチャンネルを合わせる。


それから思う存分、

ふり絞るようにして声を上げて、泣き続けた。



「わああああーーっ」



・・・ボリュームを下げた深夜番組じゃ、


私の泣き声をかき消してはくれなかったけど。





【バミューダ三角→漂流→遭難】了



< 128 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop