先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
「・・・・・はあっ、はあっ」
叫んだら、熱い涙がぼたぼたと床に落ちた。
その音だけが、やけにはっきり聞こえてきた。
むんっと密度の濃い、沈黙。
うわめづかいにお母さんをじっとにらむ。
お母さんは
眉間にしわを寄せたまま、
何度か私を振り返りながら部屋を出て行った。
なんにも言って、くれなかった。
取り残されて、
私はひとり、部屋の真ん中で立ち尽くした。
チリチリと、目覚まし時計の秒針が動く音がする。
この部屋で唯一、
私の意思とは無関係に動くもの。
私が持ってる世界には、人がいない。
それが私の、すべて思い通りになる世界。
孤独だった。
味方のいない「独り」は、
寂しいなんてシロモノじゃなくて、
苦痛としか言いようのない孤独だった。
テレビの前に
はって行って、
コンセントを入れて
デタラメにチャンネルを合わせる。
それから思う存分、
ふり絞るようにして声を上げて、泣き続けた。
「わああああーーっ」
・・・ボリュームを下げた深夜番組じゃ、
私の泣き声をかき消してはくれなかったけど。
【バミューダ三角→漂流→遭難】了