先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
【夜明け前】
その夜は、全然眠れなかった。
最近泣いてばっかいたから
涙がしょっぱくなくなった気がする。
・・・うぅ、頭いたい。
のど、ガラガラ。
私はベッドの上に座り込んで、
頭から毛布をかぶって一人で泣き続けていた。
夜更けも過ぎて
あちこちしびれてきて、
だけど心は過敏なくらいに冴えわたっていて。
真っ暗な部屋の中に
近くの外灯の白々とした明かりが四角く差して、
怖いくらいの静寂を作る。
私はガンガンする頭を押さえながら立ち上がり、
ベッドから降りて窓を開けた。
カラカラとサッシをすべる小さな音が、
くっきりと響く。
嘘みたいに明るい外灯と、
その向こうにある一面の黒。
今日も熱帯夜かと思ったけれど、
頬をなでる風はヒヤリと冷たい。
「・・・ヒック、ック、はーーーっ」
その風に乗せるように、
小さく長く、息を吐いた。
外にはもちろん、誰もいない。
午前4時。