先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】




夜明け前がいちばん暗いって、

よく言うけどほんとかな。



ぼうっと暗闇をみつめて
夜風に当たった。

遠くの方で、カラスが騒いでいた。


窓から出した腕をぶらぶらと揺らして

ぼんやりそれを眺めていたら、


少しずつ気持ちがやわらいできた。




・・・タカオちゃんに、謝らないとな。




ぽつんと、そう思った。

思った途端、きゅうっとさびしくて恋しくなった。



止まってた思考が、気持ちが、

あとからあとからあふれ出してくる。




「・・・なあにが、宣戦布告・・・だ。」


小さく、声に出して、つぶやいた。




なにが、私をここから動かしてみなさいよ、だ。




助けてください、ここから連れ出してください、

おいてかないでください、わすれないでください、



ほんとはそういう立場なのに、

「・・・なに、勘違いしてんだろ。」



なのに差し伸べてくれた手に、私は何をした。




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