先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
『あーあ、付き合いきれないや。
あんた、さっさとお笑い養成所の願書でも取り寄せてくれば?
じゃあね。』
「ちょ、ちょっとまって!」
何だかとんでもないことを言って電話を切ろうとする佐藤君を、私は慌てて引きとめる。
『なに』
まだ、お礼を言ってない。
だけどありがとうなんて変な気がしたから。
「・・・オネエキャラなんて、はずしたら痛すぎるんだよ、
からだ張ってる分、見てられないんだから。
今度から少しは考えてよね。」
あんまりイヤミに聞こえてなければいいなあ、
せめて、気分を悪くさせなければいいなあ、とか思う。
わりと切実に。
『・・・次からは気をつけるよ。』
そう言った佐藤君の声は、
低いのに色気があって、カッコよかった。