先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
『私、タカオちゃんの分まで
先生に振られるつもり、ないよ。』
言ってから、後悔した。
受話器の向こうで、タカオちゃんが息をのむ。
私はその時、タカオちゃんを傷つけた。
そんなことを言う必要なんて、なかったのに。
だけど確かに、一瞬。
ムカッとしてとても意地悪な気持ちになって、
傷つけたくて、それを口にした。
ただの「ムカッ」に対して、やりすぎたのはわかったけれど。
一度出した言葉は、もう戻らない。