先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
タカオちゃんと
しっかり手をつないだ私は、
前のめりになって学校までの道のりを歩いた。
どんだけ学校に行く気満々だよ。
正確に言えば、
どうしても歩きたがらない私の足にじれたタカオちゃんが、
むりやり私の手を引っ張ったわけで、
ポーズに反してスピードは、
競争心をむき出しにした道ばたの3歳児の三輪車よりも遅い。
「・・・さっきから、なに唱えてんの?ユリ」
「念仏。」
「そーか、観念したか。じゃあもっとスピード上げていこうか。」
いまさら走ったところで、遅刻決定なのだけど。
タカオちゃんは文句も言わずに、付き合ってくれる。