先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
リョースケ先生は振り返って足を止めると、
ぐいぐいと私の頭をなでる。
やさしげに細められた先生の目には、
「ほめてほめて!」と駆け寄るわんこでも映ってるに違いない。
私は先生の手をよけて、シャツのそでを引っ張った。
「ムリムリムリムリ、無理なんですけど・・・!」
さっきから背中に、
クラスメイトの視線がぶっささる。
「あそこに一日いるとか、無理。ね、帰っていい?」
「なんで!!(笑)
別に悪い奴らじゃないって、ほんとに。
そりゃ俺はセンセイだから、
俺の教室でちゃんと席に着いてるってだけで、
みんな可愛くて可愛くてしょうがないんだけどさ。」
「ああ・・・、自分がじっと座ってられない子だったから・・・」
「だから違うって。(笑)
第一、ずーっと謎の欠席をしてたユリに、
みんなが好奇心を持つのは、わかるだろ?
自分でしでかしたんだから
それくらいは、引き受けてもらわないとな。」
憎たらしく笑う先生に、
「どうにかしてよ~」と、あまえられそうな隙はない。
「じゃ、頑張って。」と言い残して歩き出した先生を、
私は慌てて追いかける。
「どこいくの先生~!」
「数学科室。」
「・・・昼休みも、そこにいる?」