先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
リョースケ先生は、
職員室にはあまりいない。
だいたい、数学科室か、屋上か。
背中に向かって声をかけると、
先生が振り向いた。
「いるよ。来んの?」
「・・・タカオちゃんが・・・、
話しがあるって。」
「ふーん?わかった。」
自分でついたウソに、一瞬、足が震えた。
それを無理やり忘れるようにして、
足を速めて先生の横を並んで歩く。
それからヒソヒソ声で、ふざけてみせた。
「先生こそ、引き受けなきゃいけないことが、
あ~るんじゃないの~?」
先生だって、わかってるはずだ。
「みんなの好奇心」をそそるのは、
「謎の欠席」なんかじゃない。