先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
「やめて、タカオちゃん。もう行こうよ。」
ユリが制服のすそを引っ張ったけど、
ここで引き下がるんだったら、
最初っから言わない。
「なにイラついてんのか知らないけどさ。
嫌なことがあったとか、
思い通りになんないとかさ、
そっちの事情なんか、
こっちは知ったこっちゃないんだよ。」
その瞬間、おじさんが無言で手を振り上げた。
ただの威嚇じゃないなと思った。
それでも正面からにらみ続けた。
まばたきなんか絶対するもんかと思った。
キキィーッッ
金切り声が、耳をふさぐ。
目をあけ続けてても、
何が起きたのかわからなかった。
最初に飛び込んできたのは銀色の自転車。
たとえじゃなく、
自転車が、つっこんできた。
おじさんの拳は、
自転車に乗った男の肩の辺りに
ぶつかって止まっている。