先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
「だけってことはないよ~。
タカオちゃんだって、
『あんなやつ顔だけだ』とかなんとか
結局、顔のよさは認めてたじゃん~。
それに、聞いたことあるけど
先生になるのってすっごーく、
難しいんでしょ?
競争率、すごいんだって。」
「それか、コネっていうじゃん。
あいつ卒業生だし。
コネだろ、どーせ。
あいつん家、
すっげー大金持ちって、
みんな知ってんじゃん」
その瞬間、先生が振り返って
二階のこの部屋を見やった。
聞こえたのかと、慌てて身を引く。
カーテンにぴったりと寄りそって
そっと下をうかがうと、
いつのまにかタバコをくわえた先生が、
軽く手を振った。
すぐ横を見ると、のんきにユリが
手を振り返している。
思わず、ため息がもれた。