先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
【生徒+生徒-学校】
噂が広まりきってしばらくした頃、
ユリから電話があった。
気のきいた機能の付いてない
うちのいえ電では、
出てみるまで、誰から
かかってきたのかわからない。
「・・・タカオちゃん?」
うっかり聞き逃しそうなくらい
小さな声で、
受話器からユリの声がする。
「ユリ?ほんとに、ユリすけ?」
普段、ユリの事はあだ名で呼んでいた。
以前のように戻りたい、
という希望を込めて、
つっぱねられそうで怖い
という気持ちに
負けそうになりながら、
わざと、そう呼んだ。
電話の向こうで、ユリが泣き出すのが
わかった。
「タカオちゃんっ・・・、
さびしかったよ~~っ・・・」
ユリの言葉に、涙が出た。
「ごめん、ごめんね、
あのときひどいこと言って。
許してっ、ユリすけ・・・」
ずいぶん長い間、
電話越しに泣きあった。