先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
ドアが開く音に気づいて、
先生が顔を上げる。
「おー、タカオ。
なんか、話があるって?」
くるっと椅子を回して、
机の前からこちらに向き直る。
ひざの上で手を組んだ
低い態勢から見上げられ、
視線の鋭さに、気圧される。
声がでない。
それに気づいたのか、
先生は、立ち上がると
本棚の方へ向かい、作業を始めた。
先生の迫力から解放され、
かえって私は、安堵する。
ユリには悪いけど、
告白するつもりは、ない。
だから私は、
どうでもいい昔の話、
教育実習に来た学生の思い出話を、
リョースケ先生に、した。